『乗車券があれば
 誰かが迎えに来るらしい』

事故防止の甲斐なく、投身自殺の相次ぐとある駅にて、主人公はメモを片手にホームに立っていた。

『強く願うモノが乗車券になり、
 それを持つ者がこの駅にいると、
 夢の先へと案内してくれる列車が停まるらしい』

そんなのはウワサだ。
いやこれは呪いだ。
いやこれまでに死んだ人々の霊のせいだ。


様々な噂をする人々の声を聞きながら、主人公は思う。

学校に行くのにこの駅に寄る必要はなかったのに。
どうして自分は、この駅へ来てしまったのだろう……。

けれどもし“乗車券”なんてものがあるのなら―――
本当に願いがかなうとしたら―――

突然主人公を耳鳴りが襲い、あたりは静寂に包まれる。
気付けばホームに人気はなく、音と共に、色までもが失われ、
モノクロの世界に主人公だけが佇んでいた。

ふと目を移すと、いつの間にか電車が停まっている。
呆然としていると誰かに背を押され、主人公は電車へ乗りこんでしまっていた。

そしてホームにメモを落としたまま、電車は走り出す。